会議やワークショップの定番「チェックイン」とは?

チェックイン

チェックインというプロセスをご存知でしょうか?

よくアイスブレイクと混同されます。
アイスブレイクは「その場」を和ませ話しやすい雰囲気を作ることが目的ですが、チェックインは「一人一人」にフォーカスし、参加者全員が発言や行動をしやすくなるよう、心の準備を整えるプロセスです。

チェックインとは

チェックインとは、文字通り会議や研修に入る際の手続きです。ホテルやフライトで使う場面を想像してみてください。入場手続きですので、全員が実施することになります。

全員が実施することによって、たくさん喋りたい人、意見が強い人、権威がある人など、参加者に関係なくお互いを認識することができます。誰かが話しているときは耳を傾け、聞くことに徹します。

どのような効果がある?

気持ちを整える時間でもあり、その場に主体的に参加できるよう心理的安全性を高める時間でもあります。

研修や会議が始まったとき、人は興奮状態にあることがあります。一度客観的になり、なぜこの場に来て、何を得たらいいんだろうかと言うことを取り戻す効果があります。また、チェックインすることによって自分のルールではなく、この場のルールに従う心の切り替えができます。

参加者が知らない人同士だったりすると、多くの人は緊張状態になっています。ダイアローグが主要な要素の1つであるABDでは、なんでも話しやすい心理的安全性を確保しながら進めることが求められます。言葉を発したり身体を動かしたり、他の参加者の顔を見ることによって、緊張をほぐす効果があります。

チェックインの方法

チェックインの内容は様々です。目的は参加者が「能動的に場に参加する」ようになり、「誰もが発言しやすい環境を作る」ことです。最低条件は、参加者全員が一度でも自分が主体的になって発言または行動をすることです。よりよい考え方は、その回のABDで達成しようとしている目的を達成するのに効果がありそうなことを実施するように意識しておくとよいでしょう。

以下に、一般的にどのようなやり方があるかを説明します。

方法

いくつか分解方法があります。

①発言か行動か
発言とは、参加者にその場で自己紹介や今日来た理由を言ってもらうような方法です。
ファシリテーターや参加者同士が、今日一緒に過ごす人たちがどういった人なのかを知ることができます。声を出すことによって主体的な参加への1つハードルもクリアすることができます。

行動とは、参加者に物理的に動いてもらい、一緒に場を作っている感覚を得てもらう方法です。体を動かすので、受動的になる時間が少なく、参加者主体型の場を作りやすいです。また自然と言葉を交わすことになりやすいので、発言の効果も表れやすいのが特徴です。

②全体か小グループか
人数が多い場合、全員が言葉を発するまでには時間がかかります。参加者20人のときに自己紹介をやったとしたら、一人1分だとしても20分。10番目の人は何を何を話そうかと緊張してしまう時間が9分あり、終わったら集中が途切れまた10分過ごすことになります。

参加者数が多い場合は、小グループに分けることを考えます。
そうすることで、大勢に向かって話す緊張感はなくなりますし、時間を有意義に使えます。

もちろん、全体でチェックインするにしても、参加者に行動させることで終始主体性をもって参加してもらうことも可能です。

内容

基本
基本的なチェックインは自己紹介です。
ほとんどのチェックインは自己紹介の応用と考えてください。

「私は●●です」という名前だけ自己紹介ではもったいないので、ファシリテーターはいくつか「この点について話してください」とルールをアナウンスしておくとよいでしょう。以下のような要素をいくつか選んで実施してみてください。

  • 呼ばれたい名前
  • 最近の関心事は?
  • どこから来た?
  • この場に期待していることは?

アドオン
①アンケート
この場に来ている参加者の属性を知ることができます。

これによって、ファシリテーターはプログラムの中でどこまで説明したらいいか、ダイアローグなどをさせるときに参加者同士の組み合わせを意図的にさせたりすることができます。

具体的な内容としては、「A or B」で答えられるもので挙手をさせたりするものでもいいです。

②クイズ
参加者に考えさせる時間を作ります。

会議や研修は最初と最後の記憶がよく残り一番集中しています。ABDで達成したい目的に沿ったクイズを出すことで、最初に興味関心のマインドをセットすることができ、かつ得たい知識も同時に得ることができます。

③その他のアクティビティ
チェックインの方法は挙げたらキリがないのですが、「行動」させるものとして1つ挙げておきます。

「出身地はどこですか? 近しい方でかたまり、日本列島をなぞるように陣取ってください」

この質問を「どのくらい本を読む?」などに変えていけば、ABD参加者が、どの程度読書するのかを把握することができたりします。

まとめ

チェックインの解説、いかがでしたでしょうか。ポイントを3つにまとめます。

①チェックインでは「全員」が安心して話せるような場にする
②チェックインの内容はABD開催の目的に合わせる
③基本は自己紹介

ぜひ皆さんもチャレンジしてください。

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