コサマライズの基礎

コサマライズ

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)の主要素の1つが「コサマライズ」です。簡単に言ってしまえば、「読んでまとめる」という作業ですが、基本を知っておかないと見えにくくなってしまったり、思いもよらないまとめ方になり、ファシリテーターが困ることもあります。反対に基礎を押さえてしまえば、見やすいスライドになったり、要約が苦手な人でも安心して取り組めるようになります。

この投稿では、コサマライズの心得をまとめます。

時間を守る

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)は一人ではなく、複数人でその場でコラボレーションしていく読書法です。そのため自分のペースではできない前提となります。時間が守られない場合は、ABD全体の時間がそのまま遅れてしまうので、参加者の不利益になります。ファシリテーターが時間を定め、参加者は遵守するよう心がけましょう。

ただ、初めての方だとペースがつかめないことがほとんどですし、まとめるのが苦手な方はいますので、ファシリテーターはバッファを持つことも想定しておくとよいです。例えば、コサマライズとリレープレゼンの間に5~10分の休憩をはさむことによって、その時間は誰でも自由に使える時間にするなどして、調整しましょう。

まず全体を流し読みする

コサマライズの時間制限のなかで「読んでまとめる」ために、まずは担当パート全体を流し読みしてみましょう。

例えば見出しだけを追って、だいたい何が書いてありそうか雰囲気を掴みます。本によっては重要なポイントが太字になっていることもあります。コサマライズの枚数も指定されているはずなので、分割したときにどのあたりで区切るかなんとなくの目途を付けておくとよいです。

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)は速読ではありませんが、精読でもありません。ですので、味わうことよりもまずは全体像の把握から始めるのがコツです。

完璧を捨てる

「本を読んでまとめる」となると、どうしても細かいところまで読んで理解してからまとめたくなるものですが、それでは一人で読むのと変わりません。要点と思われるところを抽出することに集中し、その要点を伝えるのに不要な内容は捨てましょう。思い切りが大事です。

精読をしたとしても、一言一句全部を覚えている人はいませんよね。担当になったパートは「つまり何を言っているのか?」ということをまとめることを意識してみましょう。

まとめる際に気を付けるのは、解釈や想像で補わないようにすることです。

理解はしていなくても、書いてあることをそのまままとめるだけでも大丈夫です。不思議と前後のパートのリレープレゼンを通して初めて理解するということもよくあります。

文字は「大きく」「少なく」が基本

コサマライズは、自分のパートをプレゼンテーションするためにまとめるものです。

リレープレゼンでは、貼りだされた紙の前に参加者が集まってプレゼンを聴く形になります。人数が多くなると壁からの距離は遠くならざるを得ません。そのため、なるべく文字を大きく少なく書きます。

目安としては、A4の用紙で1行当たり10文字、5行くらいです。プロッキーもペン先が丸いほうではなく、四角い方を使って太く書くと目立ちます。

また、パワーポイントと同様に使用する色は厳選しましょう。2色くらいがちょうどよいと思います。単色でも全然いいです。ただし、薄い色(ピンク、黄色、水色)は避けましょう。少し距離が離れると見えません。

あなたの解釈ではなく著者の言葉を書く

要約とは、あなたの解釈を伝えることではありません。著者が伝えたいことを簡潔に伝えるものです。

極力、本文中の言葉をそのまま用いてください。
※例えば、本文中に「ワタシ」と書かれていたら「私」とは書かない

コサマライズで何をまとめるのか迷ったら、印象に残ったところを書いてもいいでしょう。

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