ABDのオリエンテーションでは何をすべき?

オリエンテーション

セミナーやワークショップに参加したとき、いきなり「さあ、始めます!」なんていうことはないですよね。もし、講師にそう言われたら戸惑いますよね(^^;

オリエンテーションは、参加者にこれからやることを知ってもらい、受け入れる準備をしてもらうために必要なプロセスです。参加者が受け入れる準備を整えてくれれば、ファシリテーターにとっても、場をスムーズに進行できるようになります。アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)でもそれは変わりません。

ここでは、「オリエンテーション」を実施するうえで考えておくべくこと、中身、効果を解説していきます。

オリエンテーションって?

オリエンテーションという言葉から何を想像するでしょうか?広辞苑 第六版には以下のようにあります。

(1)ものごとの進路・方向を定めること。また、それが定まるように指導すること。方向づけ。
(2)新入生や新入社員に対する説明・教育。

おそらく多くの方が新しい組織に所属したときに、「オリエンテーション」に参加していると思います。「オリエンテーション」と表現していなくても、例えば転職した先で、人事からの就業規則の説明であったり、配属部署から事業の説明を受けたりしますよね。

何のためにそれらを実施するかというと、その組織のルールやミッションを伝えることで、仕事をするにあたって、何に向かって何をどのようにやっていくのかが明らかになるため、会社が求める行動規範を逸脱せずに自律した活動を促すことができます。

ABDやワークショップでも同様です。

  • その場をどのような場にしたいか
  • どのようなプログラムか
  • ルールは何か

など、参加者にあらかじめ知っておいてもらいたいことを共有することで、ファシリテーターや参加者同士の認識を合わせることができますし、自律的な参加を促すことができます。

参加者を知ろう

その場を方向付けるための重要な要素として、参加者にどのような人がいるのかを把握しておくということが挙げられます。

例えば、参加者のなかにABD未体験の方が多い場合と、全員が何度もやったことがある場合とでは、進め方が異なってきます。前者ではファシリテータはしっかりと説明が必要です。入り混じっているようであれば、「経験者の方はフォローをお願いします」というような要望を出すこともできます。

オリエンテーションプログラムを考えよう

オリエンテーションも、ABDの要素の一つです。ABDと参加者を通して、どのような目的が達成したいのかに基づき、組み立てましょう。以下にいくつかの要素を提案します。

場の目的の共有

題材とする本をなぜ選んだのか、この本を通して何を得ようとしているのかを共有します。

すでに設定されている場合もありますが、参加者が「実はこう思って参加しました」ということもあります。チェックインでの自己紹介代わりに「今日来た理由は?」という問いかけをして異なる目的を共有することも新しい気づきになります。

プログラムの説明

内容、時間、ルールを参加者に伝えましょう。

参加者が、この場ではこれからどんなことをやるのか、気を付けておかなければならないことは何か?ということを説明しておきましょう。

ABDによっては、特殊なやり方をすることがあるかもしれません。その場合は、あらかじめ伝えておいて「何か珍しいことをやるようだぞ」という意識をさせておくだけでも、参加者の能動的参加は高まります。

簡単なABDの実施

一番のオリエンテーションは、実践です。参加者にABD初心者がいた場合は一度コサマライズからリレープレゼンまでやってもらい流れを掴んでもらいましょう。

本の中によくある「はじめに」あたりを3人くらいに分けて読めば、何を課題にしていて、どういうアイデアが書かれていそうか、キーワードは何かということをインプットすることができます。

上記のように、全体のプログラムの一部としてうまく取り込むことで、自然な形でルールを学べたりします。画一的にならず、本を読む目的と想定する参加者を踏まえて、オリエンテーションを実施ましょう。

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