ABDの効果を促進させるギャラリーウォークとは?

ギャラリーウォーク

ギャラリーウォークは、言葉そのまま「画廊を歩く」という意味です。この言葉は昨今、アクティブラーニングでも用いられたりします。アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)では、コサマライズしたものをプレゼンしたあと、もう一度それぞれの内容を参加者が振り返るために用います。参加者に自由に眺めてもらい、近くにいる人と話をしたりしながら理解を深める時間です。

ギャラリーウォークの方法

ギャラリーウォークは、コサマライズして貼りだされたスライドを参加者が自由に眺めるものです。

10分程度の時間をとり、参加者の気のままに過ごしてもらいます。気になったところがあれば近くにいる人と対話をしてみたり、パート分けした本文を読んでみたりします。

メリハリをつけたい場合は、自由を制御して、パートごとに一人1分など時間を作ってローテーションさせてもいいでしょう。

ギャラリーウォークの効果

プレゼンが終わった後、実は頭に残っていることは少ないはずです。エビングハウスの忘却曲線によると、人は1時間後には半分近くの内容を忘れているそうです。参加者が多くプレゼンが長くなると、全体で60分近くかかるということもなくはないです。

せっかくの読書なので、すぐ忘れるなんてもったいないですよね。

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)は、プログラム全体的に記憶の定着が図られるように構成されていますが、なかでもギャラリーウォークは、重要な立ち位置にあります。

コサマライズは読んで要約する。リレープレゼンは言葉を発することによってコサマライズした個所を反復、または他の参加者のプレゼンをインプットする。ギャラリーウォークは咀嚼しつなぎ合わせるプロセスです。

気になったところや分からなかったところを中心にして紐解いていくことで、もう一度振り返ってみて理解を深めることができます。近くにいる人と意見交換をしてみると、違った考えなども得られ、さらに気づきがあります

応用的な方法

ギャラリーウォークで、ただ単に一人で眺めているだけでは、分かったつもりになっただけかもしれません。ここではいくつかより効果的な手法を取り上げます。

●ポストイットを用いる
プレゼン中、ポストイットに気づきや感想などなんでもいいのでメモを残しておきます。ギャラリーウォークの時間の一番最初に、該当箇所にポストイットを貼っておくと、他の参加者がどんなことを考えたのかも参考にしつつ、眺めることができます。

●シールを用いる
ギャラリーウォークをしながら、気になったところにシールを貼っていきます。こうすることで参加者がどこに関心を持ったのかが分かるようになります。

●ペアを組ませる
一人で眺めてもらうのではなく、2~3人を一組として一緒にギャラリーウォークしてもらいます。こうすることで自然と会話が生まれ、自分の言葉でアウトプットする機会を作ることができます。

ギャラリーウォークの難点

参加人数が多くなると、ギャラリーウォークが盛り上がらないということがあります。注目する箇所に人が集まると見にくくなりますし、早く見終わってしまう人がいると、席に戻ってしまったりします。

大事なことは、参加者が全体を俯瞰してみて、自分のサマライズしたところとのつながりや、関心したところを発掘し、気付きを得ることです。ファシリテーターが創意工夫しその場に合った方法を探っていきましょう。

コメント