ABDは選書がすべて?本の選び方を解説

ABDの本の選び方 事前準備

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)はどんな本でも実施することができます。ですが、本の種類によって向き不向きはありますし、参加してみた結果、何も残らないという問題が発生しがちです。この投稿では、なるべく参加してくれた人が持ち帰るものを多くするための最適な本を選びのステップを解説します。

「本」が先か「目的」が先か

ABDをやろう!という動機はなんでしょうか。少し考えてみてください。

  • 積読がたまっているのでみんなで消化したい
  • 難しい本なので、一人では読めないから助け合って読みたい
  • やったことがないからやってみたい

とういうものであったり、

  • チームビルディングに活用したい
  • 参加者で知識を共有したい

といったものがあると思います。動機は様々ですよね。
では、次にぜひ自分に問いかけてみてください。

「なぜその本を読むの?」
「それ本当にABDでやる必要ある?」

この2つに答えることができて、初めてABDでその本を読むという選択が当てはまると思います。その本が適切なのか、アクティブ・ブック・ダイアローグ®以外に最適なワークショップがあるのかは、しっかりと考えておきます。

「本の内容が難しいから」という動機の場合、本ありきになりますが、「そもそもその本を読みたいのはなぜなのか」という問いを立ててみてください。必ず目的があるはずです。

もちろん、「本が先」でも大丈夫です。
ですが「ただ読むだけ」という状態は、参加者にそれ以上を持ち帰ってもらうことは困難です。ファシリテーターとして、参加してくれた人たちに充実した時間を過ごしてもらえるようしっかりと「目的」を意識しておくことが大事です。

目的を具体的にしよう

つい先に本を手に取りがちですが、ABDという体験を通して、参加者にどのような行動変容を促したいかを考えましょう。

例えばあなたが人材育成の担当者で、若手のプレゼンテーション力に課題を持っていたとします。この場合、目的は「若手のプレゼンテーション能力の向上」になります。さらに具体化して、プレゼンテーションのなかでも「提案資料の作成」に焦点をあてるのか「発表」に焦点をあてるのもよいです。

目的が明確になれば、ABDがその研修として相応しいかを考えることでができます。ABDは、本を読んで「まとめる」「プレゼンする」というプロセスが入ります。その場で実践ができそうなので、ハマりがよさそうです。

参加者を具体的に想定しよう

イベントやセミナーを行う場合、必ずゴール設定をしてから全てを組み立てます。そしてターゲットを絞り込みますよね。ABDでも同じです。誰に何を届けたいかが定まって、ようやく内容を組み立てるフェーズに入ります

「若手のプレゼンテーション能力の向上」であれば、「若手」をもう少し具体化しましょう。「新卒」「20代」「若手全員」「営業」「企画」など若手のなかでもどの層なのかが決まれば、選書が容易になります。さらにプログラム構成の検討もしやすくなります。

本を選ぼう

目的と参加者が明確になったら、本を選びます。さきほどの例の「若手のプレゼンテーション能力の向上」で考えていきましょう。

参加者の属性によって知識レベルや関心事が異なります。参加者の職種が「企画」であれば、より最適な本を選びましょう。例えばリーダークラスに『プレゼンの基本』という本を読んでもらっても、あまり効果があるようには思えません。新卒であれば適切そうですね。

このように、参加者と目的によって、より効果がありそうな選書するのがファシリテーターの役目になります。

どんな本がABDに向いている?

ABDは、本・雑誌・小説・マンガ・絵本・論文など、なんでもできます。多くの場合、本(自己啓発、ビジネス、実用書など)を選択しますが、目的次第では絵本でやっても全然問題ないです。

一般的な書籍以外だと、ファシリテーターの事前準備が大変になります。これらにしっかりと応えられる状態にして臨んでください。

  • マンガのまとめ方って…?
  • 絵本ってプレゼンのしようがないのでは…?
  • 論文って前提の知識が必要では…?

参加者がABDに慣れている人達であれば、様々なチャレンジができますが、そうでない人が多いと思います。無理のない範囲で、参加者がストレスや不満を抱えないでABDという時間を終えられるようにしましょう。

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