すでにアクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)でスタンダードになりつつあるオンラインABDという方法。新型コロナウイルスが日本でも感染者数が増えた2020年の3月頃から、リアルではなくオンラインでの開催を行う人たちが増え、その方法は試行錯誤がなされています。私もオンラインに移行した者の一人です。今回は複数回のオンラインABD(onABD)を通して、事前に準備しておきたいことをまとめてみました。
運営方法
事前準備の前に、以下に運営方法まとめていますのでご確認ください。
- STEP1.運営方法のまとめ
- STEP.2使用するWEB会議ツール
- STEP.3事前にサマライズする方法
- STEP.4オンラインでのスライドの貼りつけ
- STEP.5サマライズのアップ方法
- STEP.6チャットの活用
STEP.7ダイアローグはブレイクアウトルーム
参加者に用意してもらうもの
オンラインの場合、手ぶらというわけにもいきません。最低限「本」は用意してもらいましょう。
あとは主催者次第ですが、オーソドックスなスタイル(紙にコサマライズして、写真でアップ、コサマライズは1枚4分割)の場合は以下の通りです。
・本(一人1冊)
・紙
・ペン(サインペン程度なら十分)
・スマホ(コサマライズの撮影用)
・Office Lens(文書向けカメラアプリ)
・PC(スライド閲覧用)
リアルのABDではコサマライズは用紙複数枚を使いますが、オンラインABD(onABD)の場合は、画面共有での視認性のため1パート1枚4分割でおさめるのがスタンダードな方法になりつつあります。
なので、以下のような黒と赤のサインペンがあれば十分、綺麗にまとまります。
むしろボールペンでも大丈夫です!
本が一人1冊必要!
リアルとの大きな違いは、参加者全員が本を事前に購入しておく必要があることです。参加者には事前にそのことを伝えておきましょう!
ただ、最近の書籍はamazonなどで電子書籍として購入できる場合がほとんどになっていますので、もし当日届かないにしても、電子書籍としてその場で買って用意してもらうことも全然可能です。
たまに「実際の本と電子書籍どちらがいいの?」と質問をされますが、私はオンラインABDの場合、生の本にこだわる必要はありませんので参加者の好みに委ねています。
ただし注意があります!
電子書籍の場合、注意点としてページ数が実際の本と異なることです。目次から指定の章であったりには飛べるのですが、ページ数はバラバラです。なので、できるだけ目次をベースにして、章と節で区切ってパート分けをするのが無難です。
加えて、参加者の方にも上記のそうな不整合を理解しておいてもらうと、対話の時にページ数を言って混乱することが避けられます。
WEB会議ツールでルームを作る
オンラインですので、参加者と双方向で対応可能なWEB会議システムを使います。私の場合、Zoomを推奨しています。
Zoomは脆弱性が指摘されているとはいえ、アップデートの早さは素晴らしいですし、直近では利用者がパスワードの扱いを気を付けることくらいではないでしょうか。それはどのツールでも一緒です。
もともとオンラインに特化したサービスなので、TeamsやGoogleMEETなどよりもセミナーや研修向けです。なかでもブレイクアウトルームは無くてはならないシステムです。いずれは他のサービスにも搭載される機能かもしれませんが、今のところこの機能があるというだけでZoomの価値が高いです。
RemoというWEB会議システムであれば、グループの行き来が可能だったりするのでこれが
コサマライズの方法を決める(ツール)
工夫がたくさんできるのがコサマライズの方法です。オーソドックスなのは、Googleスライドです。
必要な要素としてはファシリテーターばかりが負担になることがないよう、クラウド上で参加者全員が共同編集できることが望ましいです。(画面共有はファシリテーターが行います。)
Googleスライドの場合は、基本的にパワーポイントのように使えるので初めての利用者にとってもすぐに感覚が掴みやすいです。また、オリエンテーションのスライドをそのまま使えば、画面を切り替えることなくスムーズな進行ができます。
他のツールでは、Trello(トレロ)を使うこともあります。
Trello(トレロ)はタスクの進捗管理ツールです。あるプロセスが完了したら隣のプロセスへ…というのが可視化して見れて大変便利なのですが、これをABDに応用します。
各タスクごとに画像を貼りつけることができるので、全体を見てみるとリアルでコサマライズしているような見栄えになります。ただ文字の大きさもかなり大きくしないと見にくいのが難点です。
↓トレロの画面です。
コサマライズの方法を決める(書き方)
Googleスライドを用いる場合は、1枚4分割がおすすめです。
手元にある白い紙に、手書きで書くとリアルでのABDのように多様性のあるスライドが生まれます。オンラインだからこそのメリットはたくさんあって、図などを使いたいと思ったらキャプチャや写真を撮って、アップができたりします。
紙がない場合は、Googleスライドにすのまま書き込んでもるのもありです。紙に書いて写真に撮ってアップするというのは慣れていてもそこそこ時間がかかります。
↓Googleスライドへの貼りつけ(共同管理でどんどん貼りつけていきます。)
コサマライズの写真を撮るならOffice Lens
マイクロソフトが提供するカメラアプリ「Office Lens」であれば、斜めに撮っても正面から撮影したように綺麗に修正してくれます。
慌ててその場でダウンロードすると慌ててしまいますので、参加者には事前に推奨として案内をしておいたほうがよいでしょう。
カメラのモードとして「ホワイトボード」「文書」などがありますが、「ホワイトボード」のほうが紙の白さとペンの色が強調されます。試してみてください。
まとめ
オンラインABDでの事前準備は、参加者「本を買っておく」というのが大前提です。
画面共有用のスライド、WEB会議のルーム作成、オンラインのオリエンテーションなど、リアルと違って参加者同士で助け合うことがなかなか少なくなり、ファシリテーターが事前準備することがとても多いです。その分、ファシリテーターとしてはやりがいがあって楽しいのですが(^^;
ですが、リアルと同様に、このABDは何のために開催されているのか、その目的を達成するためにはどのような構成にするかなどを踏まえて、ツールやまとめ方を選んでください。あくまでの目的ファーストです。
ぜひ自分らしいオンラインABDの方法を実践してみてください。
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