オンラインABDの事前サマライズというやり方

onABD

オンラインABDの実施では、参加者にコサマライズを事前にやってきてもらうことができます。参加者が当日に慌てずにサマライズができるなどのメリットでもある一方で、ABDの良さを少し削ってしまう面もあります。この投稿では、事前サマライズについて解説します。

事前サマライズのやり方

事前サマライズとは、ABD開催の前に参加者が事前に担当パートを読み、サマライズをしておくことを言います。


リアルとは違い、オンラインABDでは参加者が事前に本を購入しておく必要があるので可能な方法です。実施方法は以下の通りです。

①ABDの参加人数の上限を決める
②主催者が数日までには事前にパート分けをして参加者の担当ページを割り当てる

整理してみましたが、これだけですね(^^;
要は通常のABDで実施するコサマライズの時間を、参加者の好きな時間でやってもらうということです。

メリットとデメリット

●メリット

①参加者のペースでサマライズできる
②好きな時間を使える
③ダイアローグの時間を長くできる

メリットはたくさんあります。ABDは基本的に時間を遵守することが求められます。コサマライズでも同様で、要点や印象に残った点を抽出することが求められますので、精読は推奨されていません。ですが、やはり短時間でまとめるところまで行きつくのは慣れていても難しいものです。事前サマライズであれば、自分のペースでできますし、時間の空いたタイミングなど好きな時間にサマライズすることができます。

また、当日のABDをリレープレゼンとダイアローグだけにするということもできます。開催時間の効率化という点で、対話の時間を長くすることで多くの気づきを得る時間になります。

●デメリット

①書いたときの記憶を呼び起こせない
②結果的に時間効率が悪くなる
③参加者全員に伝わっていないと全てが台無しとなる

メリットがある一方でデメリットもあります。人間の記憶力と言うのは残念なもので、エビングハウスの忘却曲線で語られているように、インプットした1時間後には約半分くらいは忘れています。前日までにサマライズしてもリレープレゼンをやろうとしたら、あまり覚えていなくて拙いプレゼンになってしまうなんてこともあります。

ABDの魅力は「短時間」であることです。事前サマライズをすることによって、サマライズの時間が少しルーズになり、時間はかからなくても期間はかかってしまうかもしれませんし、記憶も漏れ、本番のABD自体も数時間やるとなると、結果トータルの時間は長くなる可能性があります。

最悪なパターンが、事前サマライズを誰かが忘れてしまうことです。一人でも忘れた時点で破綻します。もちろんその人のパートを抜かしたっていいのですが、せっかくやる気をもって取り組んでいるのにスルーするわけにもいきません。とはいえ事前サマライズをしてきた参加者に、一人のために待ってもらうなんてこともできません。一人一人にしっかりとアナウンスが行き届いているか確認しておきましょう。

まとめ

オンラインABDでは事前のサマライズが可能なのですが、参加者にとって「時間」の使い方が有効になる一方で、デメリットがあることにも注意しながら開催しましょう。

個人的には誰かがサマライズを忘れてきてしまうことがあることと、ABDのライブ感を崩したくないので、オンラインだとしてもその場でまとめてもらうのを基本としています。ただ、事前にパート分けをしておいて、やってくるか来ないかを参加者に委ねるようにしています。そうすると、あくまでも自己判断になり、ファシリテーターの負担が軽減されます。

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